「アルトネリコ」 シュレリア様精神世界パートが楽しすぎて困る

 

アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女 PlayStation 2 the Best

アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女 PlayStation 2 the Best

 
 性的な比喩のあるシーンが話題にされたアルトネリコ。これは本当に公式が病気な作品です。
※7/22追記(クリア後):
性的な比喩の解釈について、ディレクターはそのシーンを「微妙にエロい」と認めつつも、「伝えたい事はそれとは100%違う」と公式サイトで明言しております。
現在公式サイトはそろそろ3周年を迎えます。

 
 精神世界で敢えて重要でないポイントを設置し、本筋以上の対価を要求して、例えば「あんたロリコンね?死ね!」的な話題を出してみたり、コスチュームにYシャツ一枚、バスタオル一枚といったものも提供してみせたり、その他多量にある合成アイテム一つ一つに各ヒロインとの会話パートを用意してみたりと、(フルボイスではないにしても)本当に恐ろしいゲームです。
 しかしその根底にあるのは、「如何にしてプレイヤーの期待を裏切らず、しかし如何にしてウェットの効いた会話をさせるか」という開発者の誠実な信念。
 その信念は、最終章、シュレリア様パートをもってして最高のエンディングを迎えるのです…。まだクリアしてないけど…。
 
 若干厳しく感じましたのは、2章終盤にあるダンジョン右往左往のおつかいパートの拙さと、戦闘にもう一工夫ほしかったこと、詩魔法のドット絵に違和感があること、後はテーマにも沿うようにボーカル曲を日常的に用意してほしかったことの4つです。アイテム欄のインターフェイスにも少し問題ありましたね。
 …あまり身構えないでほしいのですが、声優さんが素人とベテランの中間にいる演技力であることも少し問題ではあります。
 しかし大作ゲームとして丁寧に作られたゲームであることは間違いない事実です。しょぼい作品にありがちとも言える致命的な穴は存在せず、アトリエシリーズディスガイアなどのSLGで名を馳せる日本一ソフトウェアとして恥じることのないRPGに仕上がっております。
 
 一つ未プレイの方へのアドバイスとして、RPGの戦闘がそれほど下手な方でなければ雑魚とのエンカウントを消すアイテム、「イナイイナイ」を適度に使うことをお勧めします。経験知含む各種ポイントは結構余りますので、合成用などのアイテムが必要ない時は戦闘を回避して気軽に探索しましょう。アルトネリコの戦闘システムは雑魚との多回戦にあまり向きません。
 ギャルゲの文法を押さえた個性的なRPGでありつつも、オーソドックスで俗っぽいありがちなRPGでもあります。そのどちらもが好きだというなら、中々これほどイカしたコンシューマソフトはそうそうありません。興味があれば是非。