「ゴッド・オブ・ウォー」 脳汁出るってレベルじゃねーぞ!

ゴッド・オブ・ウォー カプコレ

ゴッド・オブ・ウォー カプコレ

 
 何という手応え……!何という迫力……!
 
 恐らく、という前置きをする必要がない、ゲーム史上屈指の出来を誇るアクションゲームです。
 実際にはアクションアドベンチャーというジャンルに区分される作りですね。戦闘、謎解き、アスレチックを織り交ぜて展開する古典的スタイル。それが実に素晴らしい。実に飽きのこない構成になっております。そのどのパートも、クリアまでのストレスと達成感が心地良い。「進んだ!」という達成感。その為の難易度調節。理不尽な攻略性からくるストレスもない、実に丁寧な作りをしています。
 まぁ…実際はこういった点よりももっと注目されるべき点があるんですがね。このゲームが本当にゲーム好きの為の3Dアクションゲームとして良く出来ている、ということが誤解されたくないのです。こういった事情は「大神」や「塊魂」、「ビューティフルジョー」などのゲームにも言えることだと思います。
 例えば、「大神」における筆しらべ。
 例えば、「塊魂」における゙物を転がすだけ"という単純性。
これらは各作品の長所にもなり、その作品を敬遠してしまう要因にもなりえてしまいます。
 ならば今作品における、長所にもなり、短所にもなる決定的な要因とは…ずばり。
 
 主人公がハゲマッチョ
 
 この一点につきるでしょう。
 いえ、海外製ゲーム、つまり洋ゲー(既存のものよりはずっとバタ臭くないですが)だということも大きく関与しているでしょうがね。かなりあちらの映画的センスなモンスターやステージばかりだということはパッケージを見ただけでもお分かりいただけると思います。
 しかしこの主人公、クレイトスというのですが、美形キャラどころか、憤怒の形相で暴れ回る、無口でキレてるおっさんです。怖すぎです。少しネタバレして彼の狂気性を語ると、ある爺さんが扉を開けるために必要な鍵を持っています。この爺さん、巨大な水龍ともいえるヒドラにのみこまれちゃうんですが、それを見たクレイトスはそのヒドラを倒し、口の中に入ります。そこで、今にも食道の奥へ落ちそうになっている爺さんを発見。ピンチの爺さんはクレイトスを見て神に感謝する!しかし爺さんが感謝するのも束の間。「助けに来た訳ではない」と鍵だけぶんどって爺さんを食道の奥底に蹴り落とすクレイトス!(←反転表示)この展開にすぐ反応して驚いたプレイヤーはどれほどいるのでしょうか…。これが最初のステージの出来事。その他にも各種雑魚キャラへの特殊攻撃も非道い。酷いのではなく非道い。怪鳥がいれば2つの羽をむしりとりサイクロプスがいれば目玉を引っこ抜き、網などにつかまるクライムアクションでは上方に敵がいれば足を引っ張って振り落とす。左右に敵がいれば頭を掴んでガシガシ壁に打ち付けて振り落とす。クレイトス…恐ろしい子
 また、各種ボス、中ボスにも特殊アクションがそれぞれ用意されています。というか締め、トドメのアクションですね。それを行わないと勝てない。ムービーでは出せない緊張感…!失敗すれば痛手を食らう。この熱い駆け引き…!驚愕に価するッ!
 そして…私は当時、手応えのあるゲームならなんでもいいやと思い、周りの評価もそこそこに見てこれを購入したのですが…
 ステージのデザインが美し過ぎる。
 細かい装飾品や陰影などミクロな表現から、広さ、巨大さなどのマクロな表現。プリレンダリングムービーの話ではありません。リアルタイムレンダリングムービーと、実際のプレイ中での話です。こういった丁寧なゲームは日本が作るべきなのに、と今の日本のゲーム事情を憂れいていたのはバイオハザードのプロデューサーで有名な三上氏の談ですが、確かに僕も、こういう作りこみとゲームバランスは正直日本の専売特許だと思っていたました。う〜む…。
 
 ベスト版には2種類あり、新しいほうには、現在発売中の続編「GOD OF WAR2」の体験版が付いております。損はしないはずだ!序盤で難しいと思ったらEASY、難易度が期待はずれだと思ったらHARD、クリア後の最高難易度に挑戦だ!どの難易度でも楽しめるはず!とにかくクレイトスの操作性は普通に心地良く、モーションや攻撃のエフェクトが一々派手で楽しすぎる!現在攻略中の2も凄ぇぞ!死体をわっせわっせと担いで走るクレイトスに激萌えだ!(違う