「ぴっぴら帳」 映画化された「夕凪の街 桜の国」も良いですが…

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ぴっぴら帳(ノート) (1) (ACTION COMICS)

ぴっぴら帳(ノート) (1) (ACTION COMICS)

ぴっぴら帳 (全二巻)
 
 こうの史代といえば私はこれがまず思い浮かびます。これをちょくちょく読んでた時はまさか映画化するような作品を描くとは夢にも思いませんでした。ぴっぴら帳を知らない皆さん!こうの史代は昔、こんな萌え萌え4コマ漫画を描いていたんですよ!!
 主人公は少し抜けた所のある街角娘と、彼女が拾った一匹のインコ。彼女たちと街の人たちとの触れ合いがこの物語です。ほのぼのシュールギャグとしてクスクス笑える、秀逸4コマです。媚びた笑いはなく絵柄も中性的で、対象年齢とか性別は多分ないんじゃないでしょうか。…しかしこれが萌え4コマだということを撤回するつもりはありません。何故なら、読んだ人は皆主人公に萌えるはずだからです。そう。つまりインコ萌えだ!
 インコのぴっぴらさんの一挙一動が一つのギャグになるという真実。不意打ち気味なリアルな不気味さが程よく混じっていて飽きません。水浴びしたぴっぴらさんなんか正直反則です。さすが、実際にインコを飼った作者の思い出が詰まっていると実感できます。ネコ専門漫画雑誌が刊行される前からこういう着眼点が存在していたのですね。しかも飼う動物としてはマイナーなインコ。うーん、自分だけの思い出を他人に共感されて笑いを呼ぶなんて、かなり理想的だと思います。