月姫でもありHolicでもあり

 

 
 傷物語だけ読みました。ぶっちゃけ本編はアニメ見た限り、物語的に見る所がないので…。
 あとがきには120%趣味で書かれた小説ですとありましたが、100%趣味で書かれたという本編に20%の趣味が上乗せされてるというわけではなく、実際の趣味分は実質的にその上乗せ分のたった20%で、着地点を見据えた物語作りとなっています。人間シリーズみたいにちゃらんぽらんな物語ではありませんでした。あれは酷かった…特に完結編4冊…。
 忍野メメ忍野忍、そして阿良々木暦の人外っぷりはもう想像の範疇をはるかに超えていました。あいつら人間じゃねぇ。何気にあの時の阿良々木はあの時代あの世界の最強番付及び要注意危険人物番付TOP3に余裕で入る存在で、下手したらぶっちぎりで首位に君臨してたのでは…。羽川翼もあんな時代の阿良々木をよく手懐けられたもんです。
 西尾維新版「月姫」の印象こそ拭えなかったものの、持って行くべき筋道も言葉遊びも暴走せずにすとんと落ち付くべき場所に落ち着く感じの、非常に読後感の良い小説でした。ほんとにアニメ化するとのことですが、いつかあった話のように劇場版というのも悪くありません。その際の忍野忍のキャスティングが果たしてドラマCDと同じものになるのかは気になる所ですけど。