「ジャックXダクスター2」 色々あるけど優秀なアクションゲーム

 
 死にゲーです。

 
 巨大な1マップとなった街を拠点に駆け回り、各ミッションをこなしていくことでストーリーが進むアクションゲームです。
 まず街について。
 パッケージ裏を見ると「バイスシティ」や「サンアンドレアス」でお馴染みのGTAシリーズを思い起こさずにはいられませんが、全く異なります。グラフィックは明らかにジャックXダクスター2の方が綺麗です。が、GTAとは違い全く好奇心がそそられません。柵を飛び越えてショートカット、廃屋に忍び込んで武器を見つける、お気に入りの車を車庫に入れる…といった面白さは皆無です。人が歩いてて通路が複雑なだけの1ステージです。そもそも立体構造で楽しませる建物とか街には存在しないので、移動がたるいだけの観光地として認識するのが正しいでしょう。
 次にアクションステージ。
 各ミッションで街中の施設や街の外の森などに行ったりするんですが、これらのステージはホントよくできてます。移動したり崩れたりする床を次々とジャンプして進んだり、スノボ的なボードを使って水場を勢いよく駆け抜けたりと、中々アクションゲームの肝を押さえています。グラフィックも街と同じく良く作り込まれています。普段は無視してしまうところの天井を見上げては感動していたりしました。
 しかしその難易度です。一つ一つの仕掛けがシビアなのではありません。死ぬポイントが多いのです。
 転落死は日常茶飯事。ライフも少なく、事実上、敵の攻撃をたった5回食らうだけでなくなる計算です。回復アイテムも中盤以降になると、置いてほしい場所に置いてない、という感じになります。
 そんな難易度のためかコンティニュー制限はありません。いくらでも直前のチェックポイントからやり直せるのです。が、そのチェックポイントも中盤以降では置いてほしい場所に置いてないという感じになります。ミスなんか許さないよ、華麗にプレイしなきゃ駄目だよ、と製作者の意志が伝わってくるかのようです。
 また序盤の街では頻繁にレースが強要されます。移動手段は主に空飛ぶ車になります。これが非常に厄介。早い内に街の構成を覚えさせる魂胆でしょうが、何せ道が広くありません。あるのはでこぼこしてる壁です。スピードを出すと激突死するのでずっとのろのろ走っていました。そんなスピードでクリアできるのですからそんなに難しいわけではなかった…のかもしれませんが、私はこれが一番面倒でした。GTAのレースは面白かったのですけど…まず街が普通に狭い迷路と化している辺り好きになれませんでした。全然違いますがエースコンバットの方が楽だったとすら思います。また本筋とは別枠の街レースもあるんですが、それは途中で辛口な難易度になります。隠し要素コンプリートはその時点で諦めました。
 
 レースのことは置いとくとしても(これはこれでアリだと思う)、しかし回復手段やチェックポイントについては御一考ほしかった所です。このゲームは自然回復がバランス的に結構マッチしてると思うんですが。また一定時間強くなれる変身要素と回復を結び付けても悪くなかったと思います。その際にはコンティニューの後に変身ゲージの減少まで引き継ぐという仕様もまたなくしてほしい所。
 ただし難易度が全体的に鬼畜だったわけではありません。前述の通り、基本のアスレチックはよくできているのです。ステージによっては厳しい位に連続してるというだけで。ボス戦は比較的練られていて面白いと感じましたし、シューティングパートなんかは若干ヌルいくらいでした。
 
 へたれなレビューですね。意味のない要望も入ってますね。非常にへたれです。クリアしてふと気付いたんですが、このゲームは実の所そんなに特別な存在ではありません。一言でいえば繰り返し落とし穴に落ちて死ぬゲームで、そしてプレイ中に感じたコンティニュー無制限への違和感。その正体。
 …なんかレゲーっぽいです。スーパーマリオブラザーズの1−1をひたすら繰り返した子供の頃を思い出しました。本当に。
 
 死にまくることを前提にしたアクションゲームとしてはかなり優秀なのではないでしょうか。変にシビアではなく、覚える部分と思い切りの良さが求められる部分とがあってスカッとした達成感が得られます。でも私はゴッドオブウォー1・2のHARDモードよりもリトライを重ねたと思います。オーソドックスにマゾなアクションやりたいなと思ったらお勧めかもしれません。
 あとウザキャラに耐性のない人は注意。私のことです。海外の作るウザキャラは一味違うぜ。