駄文という名のあるゲームに対する感想

 
 シムやシヴのゲームシステムは、シリーズを重ねるごとに、現実の社会に近似させるような進化を遂げています。システムの穴をついた効率的なプレイを許さないよう、要素の種類や相互効果などが見直されていくシリーズに共通の最適解はありません。それでなくても乱数次第でいくらでも刺激的なプレイになってしまう優れたシステムです。
 これらのプレイヤーは毎作、複雑なシステムに理解を示して優秀な指導者を目指していきます。時に暴君と呼ばれることもあるでしょうが、これは現実の社会でもリスクさえ恐れなければ行えないことではありません。
 しかし、もしもこれらシミュレーションゲームがゲーム中の施設や人口の要素をほぼ現実の社会に則した意味を持つ数値に置き換え、処理できたとしても、全てのプレイヤーはいくらでも、世界史に載るどんな優秀な君主をも超えた、非現実的な指導者を目指せることでしょう。それはゲームが試行錯誤して楽しむ性質を持つ以上、2週目3週目があるだけでなくセーブとロードを繰り返せるからでもあり、また例えオートセーブを実施しても娯楽や暇つぶしとしてのゲームの体裁を根本的に崩すことはできないからでもあります。プレイヤー自身の金銭や立場に何のデメリットもない、ということも要因の一つになるでしょう。何よりシミュレーションとは元来そういうものです。
 ですが私はこう考えます。シムなどに限らずシミュレーションゲームのプレイヤーが現実を超えた、世界的な名君となり善政を敷ける最大の理由とは…
 
 誘惑のシミュレートがないことです。性的なものと趣味の誘惑が。
 金銭の誘惑はゲーム中にもあります。しかしエロと娯楽がありません。いえ、ゲームプレイそのものが趣味であり娯楽であり、ゲーム中の指導者はそれだけでほぼ満たされているのです。しかしそれが攻略の足かせになることはありません。ゲーム中での指導者は、禁欲生活にもほどがある極めて健全な、ある意味なによりも機械的な経営をできるのです。
 でももしゲーム中で、攻め入るメリットのない国に美女、もしくは美少女がいて、国を滅ぼさなければ碌なスキンシップもできないとしたら…
 そう!従来の禁欲スタイルを破戒したゲームの先駆けがエロゲの世界にあったのです!鬼畜王ランス、そして戦国ランスというエロゲ達が!
 
 
 
 前置きが長くなりました。戦国ランス、本当に面白かったです。プレイの手軽さと女の子の多さ、可愛さが素晴らしく、こんなに長く遊んだエロゲは初めてでした。
 金銭の使い道が兵の補充、増員しかないシンプルなシステムの上に成り立った、次はどこに攻めよう、誰の好感度を上げようという思考の右往左往がただ楽しく、記録されていないプレイ時間は相当なものになってるんじゃないでしょうか。
 ランスの性格のお陰でエッチの多様さにも説得力があり、バラエティ豊富ながらもまとまりのある作品として完成されているのには感心するばかりでした。CGになんとなくバックが多いような気がするのもグッドです。
 遊べて抜けるエロゲとしてNo.1の作品。